再会したのは、二度と会わないと誓った初恋の上司
週末の金曜日、消化器科の歓迎会の日。
病棟にいても医局に隠れても見つかると思った私は、救急外来に逃げ込んでいた。

「環、何してるの?」
声をかけてきたのは敬。

「うぅーん、休憩」

だってここはスタッフ休憩室でしょう。

「なぜ、ここで?」
「いいじゃない。ねえ?」
わざとらしく近くのスタッフに振ってみる。

「ここは『救急外来の』スタッフ休憩室だぞ」
「いいでしょ、差し入れのお菓子も持ってきたんだから」
「お前・・・今日の当直は上田先生のはずだろ?」
「だから休憩だって」
「歓迎会は?」
「だ・か・ら、あとで行くから」

今日の幹事には遅くなるって連絡したし、ちゃんと顔は出すつもりでいる。
すっぽかす気はない。
私には私の事情があるのよ。

「無駄な抵抗だな」
「放っておいて」

この時、敬の言う意味が私にはわかっていなかった。
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