過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「フェリーチェの上層部は桐嶋の悪行を見抜けなかったようだし、美香のデザインの良さに見合った評価を下せていなかった。そもそも、楽して実を取りたい質の桐嶋は、他に安心して依頼できるデザイナーを探すとまでは動き出さなかった」
本来、利用者側の評価だけでデザイナーのすべてが決まるわけではない。デザイナーの評価は、顧客の反応を加味して社内で総合的に判断するものだ。
でも、今のフェリーチェの上層部にはそれをできる人がいなくなってしまった。いくら久々莉らがそこに切り込んでも、最終的には黙殺されたのかもしれない。
それに、朔也にはここまで散々傷つけられてきたが、私にも悪かったところはあったのは事実だ。だから、おあいこだとは言えそうにはないものの、仕方がなかったのだと思えるようになっていた。それがまさか、そんな裏切り行為をされていたとは思いもよらず、思わず動揺してしまう。
「大丈夫か?」
俯く私の肩へ、気づかわしげに手が乗せられる。きっとこれを伝える拓斗も辛かったのだろう。チラリと隣を見れば、彼はずいぶんと険しい表情をしていた。
「ごめんなさい。私、どうしていいかわからない」
朔也のさらなる裏切りを聞かされて、悔しいのかそれとも悲しいのか自分でもよくわからない感情が渦巻く中、自然と涙がこぼれた。
拓斗は、まるで何かから私を庇うようにぎゅっと抱きしめると、そのままそっと背中を撫でてくれた。その手の温かさがありがたかった。
彼が隣にいてくれてよかった。
小刻みに震える腕で彼の大きな背中にしがみついて、声を殺して泣き続けた。
本来、利用者側の評価だけでデザイナーのすべてが決まるわけではない。デザイナーの評価は、顧客の反応を加味して社内で総合的に判断するものだ。
でも、今のフェリーチェの上層部にはそれをできる人がいなくなってしまった。いくら久々莉らがそこに切り込んでも、最終的には黙殺されたのかもしれない。
それに、朔也にはここまで散々傷つけられてきたが、私にも悪かったところはあったのは事実だ。だから、おあいこだとは言えそうにはないものの、仕方がなかったのだと思えるようになっていた。それがまさか、そんな裏切り行為をされていたとは思いもよらず、思わず動揺してしまう。
「大丈夫か?」
俯く私の肩へ、気づかわしげに手が乗せられる。きっとこれを伝える拓斗も辛かったのだろう。チラリと隣を見れば、彼はずいぶんと険しい表情をしていた。
「ごめんなさい。私、どうしていいかわからない」
朔也のさらなる裏切りを聞かされて、悔しいのかそれとも悲しいのか自分でもよくわからない感情が渦巻く中、自然と涙がこぼれた。
拓斗は、まるで何かから私を庇うようにぎゅっと抱きしめると、そのままそっと背中を撫でてくれた。その手の温かさがありがたかった。
彼が隣にいてくれてよかった。
小刻みに震える腕で彼の大きな背中にしがみついて、声を殺して泣き続けた。