過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「俺と結婚する気になってきた? アローズの副社長からの申し出だけど、君にとっては魅力的ではない?」
彼が自身の立場を鼻にかけているわけでないのは、どこかお茶らけた口調からもわかる。
ただ、簡単に「よろしくお願いします」と言える内容でもない。
そもそも、よく知りもしない相手を受け入れられるはずがない。仕事の面だけならともかく、結婚を持ち出す以上は当人だけの意向では決められない。
おそらく彼の立場からして、私をだますだとか詐欺のような話ではないだのだろうとは感じた。たまに砕けた雰囲気になる拓斗だけど、仕事の話になると顔つきが変わって真摯に向き合っていると伝わってくるから。
初めて会った夜に『美香には本当のことしか言わない』と言いきっていた通り、拓斗が私に対して誠実に向き合っているのが伝わってくる。なんだかその言葉に暗示をかけられている気もするが、疑う気持ちは自分でも驚くほど抱いていない。
「それに……」
この場をどうやり過ごそうかと思案する私に、拓斗は畳みかけるように続ける。
「俺と結婚すれば、ご両親を安心させられる」
そこを突かれると私としては痛い。両親への対応はごまかしながらやり過ごしてきたけど、最近の母は以前以上にしつこく〝結婚〟と言うようになった。正直、辟易させられている。
そこへ彼氏と別れたなど報告しようものなら、勝手に見合いの場でも設けかねない。良くも悪くも、両親は田舎の人間なのだ。東京に出て働くことですら難色を示したぐらいに。
年頃の娘が独り身だと、不安も不満もあるのだろう。さらに、親せきや近所の目も気になっているのかもしれない。
彼が自身の立場を鼻にかけているわけでないのは、どこかお茶らけた口調からもわかる。
ただ、簡単に「よろしくお願いします」と言える内容でもない。
そもそも、よく知りもしない相手を受け入れられるはずがない。仕事の面だけならともかく、結婚を持ち出す以上は当人だけの意向では決められない。
おそらく彼の立場からして、私をだますだとか詐欺のような話ではないだのだろうとは感じた。たまに砕けた雰囲気になる拓斗だけど、仕事の話になると顔つきが変わって真摯に向き合っていると伝わってくるから。
初めて会った夜に『美香には本当のことしか言わない』と言いきっていた通り、拓斗が私に対して誠実に向き合っているのが伝わってくる。なんだかその言葉に暗示をかけられている気もするが、疑う気持ちは自分でも驚くほど抱いていない。
「それに……」
この場をどうやり過ごそうかと思案する私に、拓斗は畳みかけるように続ける。
「俺と結婚すれば、ご両親を安心させられる」
そこを突かれると私としては痛い。両親への対応はごまかしながらやり過ごしてきたけど、最近の母は以前以上にしつこく〝結婚〟と言うようになった。正直、辟易させられている。
そこへ彼氏と別れたなど報告しようものなら、勝手に見合いの場でも設けかねない。良くも悪くも、両親は田舎の人間なのだ。東京に出て働くことですら難色を示したぐらいに。
年頃の娘が独り身だと、不安も不満もあるのだろう。さらに、親せきや近所の目も気になっているのかもしれない。