過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「それが理由、ですか?」
「理由のひとつだ」
ひとつだと強調はしているが、本人も認めている。
「ですが、駆け出しの私の力など、アローズで展開しているブライダル事業に貢献できるとは思えません」
アローズともなれば、様々なブランドと契約しているだろう。それに、有名どころのデザイナーをたくさん押さえているはずだ。自分を卑下するわけではないが、私の入る余地などあるはずがない。
「もちろん、単に自分が気に入ったデザイナーだからという理由だけでは登用しない。それに、美香のデザインはアローズの色ではない。だから君をその中に放り込むつもりなど、さらさらないな」
「では、どういう意味で?」
「それは君が決意するまでは言えない。だが、悪いようにはしない。美香にはアローズではない場で、その才能を発揮して欲しい」
〝アローズの色ではない〟というのは、おそらく私を気遣った言い回しだろう。要は実力不足なのだ。それは事実だから落ち込んだりしない。
もし拓斗に協力するとなれば、フェリーチェを辞めなければならないだろう。詳細がわからなのに、とてもじゃないがそんな大きな決断はできない。
ただ正直なところ、自分が必要とされているのは嬉しいとも思った。
「理由のひとつだ」
ひとつだと強調はしているが、本人も認めている。
「ですが、駆け出しの私の力など、アローズで展開しているブライダル事業に貢献できるとは思えません」
アローズともなれば、様々なブランドと契約しているだろう。それに、有名どころのデザイナーをたくさん押さえているはずだ。自分を卑下するわけではないが、私の入る余地などあるはずがない。
「もちろん、単に自分が気に入ったデザイナーだからという理由だけでは登用しない。それに、美香のデザインはアローズの色ではない。だから君をその中に放り込むつもりなど、さらさらないな」
「では、どういう意味で?」
「それは君が決意するまでは言えない。だが、悪いようにはしない。美香にはアローズではない場で、その才能を発揮して欲しい」
〝アローズの色ではない〟というのは、おそらく私を気遣った言い回しだろう。要は実力不足なのだ。それは事実だから落ち込んだりしない。
もし拓斗に協力するとなれば、フェリーチェを辞めなければならないだろう。詳細がわからなのに、とてもじゃないがそんな大きな決断はできない。
ただ正直なところ、自分が必要とされているのは嬉しいとも思った。