過保護な御曹司の溺愛包囲網~かりそめの妻かと思いきや、全力で愛されていたようです~
「帰国の日時は決まった?」
「帰るのは決定事項ですが、時期はまだ。会社からの連絡待ちです」

明日なのか、それとも数日先になるのか。今後の予定がわからないというのは、なんとも落ち着かない。

「もうここへは、戻れないんでしょうね」

残りわずかとはいえ、期間いっぱいやりきれなかったのは悔しい。まだまだ学ぶべき内容はいくらでもあるというのに。

「会社にも、居づらくなりそうです。連絡をくれた上司に、決して折れてはだめだと言われましたし、私もこんなところで自分の夢をあきらめるなんてできません。ただ、それを叶えるのは、今の会社でなくてもいいのかと思いはじめています」

園田には、話をする場を作ると言われている。ただ、それが私の言い分を聞いてくれるものだとは期待できそうにない。当然だとはいえ、会社はエテルナとの提携継続を望むに決まっているのだから。

真実にどれほどの意味があるというのか。蒸し返せばまとまるものもだめになってしまいかねない。会社として守るべきなのは何で、切り捨てるのは何か。それぐらい私にも判断できる。一目瞭然だ。

それに、朔也の会社だけではすまない可能性もある。今後の彼には、三崎グループが背後につくのだから。三崎グループが具体的に動きはしないとしても、その存在だけで園田を黙らせるには十分だろう。

私の心残りは、お世話になった久々莉の側を離れなければならないぐらいだ。

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