悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
公爵令嬢ヴァレンティーナは、ソファに座って待っていた。本日も凝ったドレス衣装に身を包み、強烈な印象をしたゴージャスで特徴的な髪型をしている。

この『白薔薇の会』の主である彼女の後ろには、同じ縦て巻きロールヘヤーの令嬢達が見届け人のように数人立っていた。

「あなた様の方から、いらっしゃるなんて思ってもいませんでしたわ。今日は殿下ではなく、近衛騎士隊長のクラーク・バトス様をお連れですか」

昨日、唐突の来訪の知らせをしたにもかかわらず、彼女はツンとした態度ながら「どうぞ」と着席を促した。

「紅茶は?」

「いえ、結構ですわ。ありがとうございます」

長居はするつもりはないと伝え、アメリアは彼女の向かいのソファへ。クラークがその後ろに、騎士らしい姿勢で立った。

「お手紙は拝見しましたわ。何やら、ミッシェル様のことでご相談したい、とか」

「はい。全てお話したいと思っています。ただ、ここで話すことは他言無用でお願いできますか?」

アメリアは、まずは大事なことを確認した。後ろで見守っている令嬢達が、ただごとではないのだと察した様子で緊張を漂わせる。

ヴァレンティーナは、眉一つの動揺も見せなかった。毅然として、肩にかかった金色の髪を「ふん」と払った。

「思った通り、将来の王弟妃として頼もしいお方ですわ。――そんなこと、手紙で『ミッシェル様の件』と見た時から、百も承知ですわ」

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