天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
朱雀がそんな私に向かい声を荒げる。
「白蘭が見たらきっと悲しみます!きちんと生きてください」
生きる…か。それに何の意味がある。
「白蘭は…もういない」
「ええ。そうです!今までは黙っていましたが今日こそは出てきていただきます。玲心様が先程正室の宮に入りましたよ!!このままでいいんですか」
正室の宮に玲心が…?
あの場所を使っていいのは白蘭だけだ。いや正室の宮も後宮も白蘭だけのものだ。
忘れていた怒りが沸々と沸き上がり何年ぶりに私は立ち上がり正室の宮に向かった。
朱雀が言った通りに玲心が侍女達に命令し正室の宮に自分の荷物を運んでいた。
「紅蓮様。お越しですか」
呪神羅刹の話をした以降、玲心とは会っていない。
久しぶりの再会に玲心が嬉しそうに笑った。