天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
それを見た天帝は悲鳴ながらに衛兵を呼んだが、衛兵は現れなかった。
代わりに現れたのは衛兵を取り押さえる白豹族だった。
「お前たち!」
「覚えておいでですか?」
白豹族の一心が皮肉的に言う。
「白豹族は私の母である白蛇族と主従関係を結び、白蛇族の謀反を無実だと証明しただけで天宮から永久追放された。実際、白蛇族は無実だと私は記憶水晶の間で確認した」
ザワッとより一層、あたりは騒然とした。
「では白蛇族は無実だったのか?」
「なぜそのようなことになったのだ…」
周りが色々と意見を口にする中、月影は真実を話し出した。
「天后はなかなか子を身ごもれないことを理由に白蛇族を殺し、天帝はそれを黙秘した。白蛇族は天帝と天后に陥れられたのだ!」