今宵、彗星
ー臼井彗(ウスイ ケイ)ー
学校に行こう。
そう脳みそが司令してくるまでに酷く今日も時間がかかった。それでも単位を落とす訳にはいかないし、休んだところで状況が変化するわけじゃないし、僕が私になれる訳でもない。
まぁ、詰まるところで言うと、僕はいじめられている。
理由は、陽キャグループの彼女を寝とった訳でも少女漫画の主人公のように超超超お金持ちのドS王子様に気にいられ、ファンクラブの女子たちに反感を買ったわけでもなかった。(むしろそうであったら気が楽だった)
僕が、ジェンダーレスだったからだ。
中学校に入った時だった。
急に周りが異性を意識し始め、昼休みの会話はやれ、今日のおかずは誰だの、やれ、エロ本が道に落ちていただのと思春期真っ只中というものに変わっていった。
今思うと中学生、多感な時期だ。
どの学校でも少なからずこういう話題はあったのだろうと思う。
そして、それは性別に関わらず女子の間でも。
しかしほんの少し前まで男女関係なく疲れて動けなくなるまで公園で走り回って遊んでいたのに。
中学校という箱に入れられた途端、発情期の兎のように"性"というものに敏感になる。
それが、僕には気持ちが悪かった。
周りについていけずに悶々とした日々が続いて
いたある日。家の断捨離をしていたときに僕は見つけてしまった。写真を。
そこには恥ずかしそうにしながら親戚のお姉さんとワンピースを着て短い髪の毛を無理やりツインテールにした僕がいた。
僕は吃驚した。そして、興奮した。
自分が持ってた違和感はこれだったんだと、僕は汚らわしい会話ばかりする男ではなくて、ふわふわしてて可愛らしい女の子になりたかったんだと。
今思えば滅茶苦茶な思考回路だと思う。
どうしてそうなったのかは自分でも分からない。
多分、何か理由が欲しかったんだと思う。周りの雰囲気に打ちのめされついていけなくなった自分が情けなくて、"性"の落ちこぼれとなった自分に言い訳をしたかった。
しかし、きっかけはどうであれ僕はそれから「女の子になりたい」という思いが芽生えた。いや、目覚めたと言った方が正しいのかもしれない。もともと自分の中にあったもの。そう、自分に言い聞かせた。
学校に行こう。
そう脳みそが司令してくるまでに酷く今日も時間がかかった。それでも単位を落とす訳にはいかないし、休んだところで状況が変化するわけじゃないし、僕が私になれる訳でもない。
まぁ、詰まるところで言うと、僕はいじめられている。
理由は、陽キャグループの彼女を寝とった訳でも少女漫画の主人公のように超超超お金持ちのドS王子様に気にいられ、ファンクラブの女子たちに反感を買ったわけでもなかった。(むしろそうであったら気が楽だった)
僕が、ジェンダーレスだったからだ。
中学校に入った時だった。
急に周りが異性を意識し始め、昼休みの会話はやれ、今日のおかずは誰だの、やれ、エロ本が道に落ちていただのと思春期真っ只中というものに変わっていった。
今思うと中学生、多感な時期だ。
どの学校でも少なからずこういう話題はあったのだろうと思う。
そして、それは性別に関わらず女子の間でも。
しかしほんの少し前まで男女関係なく疲れて動けなくなるまで公園で走り回って遊んでいたのに。
中学校という箱に入れられた途端、発情期の兎のように"性"というものに敏感になる。
それが、僕には気持ちが悪かった。
周りについていけずに悶々とした日々が続いて
いたある日。家の断捨離をしていたときに僕は見つけてしまった。写真を。
そこには恥ずかしそうにしながら親戚のお姉さんとワンピースを着て短い髪の毛を無理やりツインテールにした僕がいた。
僕は吃驚した。そして、興奮した。
自分が持ってた違和感はこれだったんだと、僕は汚らわしい会話ばかりする男ではなくて、ふわふわしてて可愛らしい女の子になりたかったんだと。
今思えば滅茶苦茶な思考回路だと思う。
どうしてそうなったのかは自分でも分からない。
多分、何か理由が欲しかったんだと思う。周りの雰囲気に打ちのめされついていけなくなった自分が情けなくて、"性"の落ちこぼれとなった自分に言い訳をしたかった。
しかし、きっかけはどうであれ僕はそれから「女の子になりたい」という思いが芽生えた。いや、目覚めたと言った方が正しいのかもしれない。もともと自分の中にあったもの。そう、自分に言い聞かせた。