惹かれたのは強く、眩しい子で。





ここからは少し離れたところにいるため、声は聞こえないが、2人はすぐさま離され、踵を返した施設長は一瞬不気味な顔をしていたが、それはすぐに消えた。



『申し訳ありません!子ども達が失礼なところをお見せしました!』

『子どもらしくて良いではないか。』



その言葉に安堵したのか、大人たちは機嫌が良くなった。


ふと遠くから強い視線に感じ、目をやれば、さっきの女の子が施設長を睨んでいた。


腕の中に、泣いている子を抱きしめながら。




その姿が妙に残った。








施設を出て、施設長たちが父上にぺこぺこ頭を下げながら笑っている姿を見たくなくて、そこを離れた。



少し施設の周りを歩くとさっきの広場が見え、無意識に足を止めていた。


『可愛い!ランは天才だわ!』

『本当?嬉しい!!』

『ねえねえ、私のは?』



塀越しにさっきの女の子たちがいる。


あの言い争っていた女の子はどうやら慕われているようだ。





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