【短編】貴方だけを愛しています
「親父たちが帰って来るまで、夕食は待つ」



「畏まりました」



「たっちゃん!;;」



「ダメか?」



「……良いよっ……」



食事を後にして2階に上がれば、たっちゃんの部屋へと押し込まれた。

明かりも告げず、月明かりと街灯の光によって辛うじて見える顔。

前回は見せ付けの為か、荒々しかった。

でも今日は、私のペースに合わせて抱いてくれる。



「たっちゃん……っ」



「愛してる」



腕に包まれ、強請らずとも貰える愛の言葉に酔い痴れる。

たっちゃんを胸に引き寄せ、刻まれるリズムに声を大きくさせながら果てを目指す。



「もう、帰って来るかな……」



「その割だな」



「寒さもあって、離れたくないんだもん」



事が済んでもくっ付いたままスマホで時間を見れば、帰宅から1時間はとうに過ぎていた。

エアコンを付け、すっかり熱も冷めた身体をモゾモゾと動かし、下着を探す。

身形を整えてしばらくすれば、お父さんたちが帰宅。

疲弊した姿に、これは激しく言い合っただろうと追求はせず晩ご飯を食べる。

ーーピンポーンッピポッピンポーンッ



「奥様。纐纈咲来様がお見えです」



「インターフォン切って」



「畏まりました」



すると、激しく鳴り出した呼び鈴。

お手伝いさんに報告され、お母さんは溜め息を漏らしながら指示を出す。
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