【短編】貴方だけを愛しています
「土地返せ」



「すみません!;;今、秘書が小児科病棟へ確認に行ってますので、そんな冷たい事は仰らないで下さい!;;」



院長が入って来るなり、ベッドで胡座をかいて座るお兄様がいきなり印籠を見せるような事を言うと、院長は跪いて手を摺り合わせて謝る。



「院長……?えっ?どういう事です?」



「君は葉山さんのご令嬢に何を言ってくれたんだ!;;」



「“ご令嬢”??;;」



「そうだ!この子は、ここの地主であり、隣の【徳丸(とくまる)不動産】社長のご令嬢だ!優秀でもあり、我々の信頼関係に傷を入れるような真似をするとは 何事だ!!;;」



「申し訳ありません!;;知らなかったもので;;」



「橘病院に患者さんを取られてばかり……。ご友人なのに、見かねて手を差し伸べて下さった方に、何という事か……」



「もう一度、飯田に確認するように言い付けて来ました!本当に申し訳ありません!私のせいですっ!!;;」



「違うわね」



「「…………?;;」」



「確かに部下の事は上司にも責任はあるわ。でも、同期の子から話を聞いて、謝罪を貰いたいわ。貴方たちの謝罪は、今の私たちには届かないのよ」



秘書の人から話を聞いたのか、飛び込んで来た師長。
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