【短編】貴方だけを愛しています
「たっちゃん、お兄様……」



「「何だ?」」



「何かあったら、助けてくれるんだよね……?」



「当たり前だ」



「何かあったら困るけどな」



「うん」



「…………?」



「唯来、何考えてる」



「…………」



「危険な事は考えるな!傍に居れば、絶対に守ってやるから!」



「……手っ取り早いと思ったんだけどな……」



「お前に何かあったら、それこそ親父が言った事になりかねないからな」



「本当に、傍に居られなくなるって事……?」



「あぁ。だから、何もせず居てくれ……」



「わかった……。わかった、たっちゃん……っ」



家へと着き、ガレージに停まった車から降り、2人に声を掛ける。


たっちゃんにすぐに気持ちを見抜かれてしまって、自ら囮(おとり)になろうと思ったけど、出来なくなった。

たっちゃんと居られなくなるなんて嫌。

私のせいでたっちゃんが犯罪者になるなんて、もっと嫌だ。

少し息苦しさを感じるほどキツく抱き締めれ、自分の考えを押し通せるほど、強くもない。



「たっちゃんの、傍にずっとンッ――…」



お兄様の閉める玄関扉の音を聞きながら、たっちゃんの気が済むまでキスを交わす。
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