あやかし戦記　葛藤の炎
「あたしは残念ながら、他にも数件任務を任されている。だからお前たちの子守りはできないんだ」

だから、死なないように頑張れよ。そう言いながらツヤはスイーツを頬張る。

「いずれ、君たちはそれぞれ一人で任務に行くことだって増えてくる。これは一人で任務に行くための第一歩なんだよ」

ギルベルトが言い、チェルシーとエイモンも「最初は不安だろうけど、頑張って！」とエールを送ってくる。

（私、妖を倒したことなんてないのに……）

イヅナは顔を真っ青にしながら紅茶を見つめる。紅茶には、不安そうな自分の顔が映し出されていた。そんなイヅナの頭を、乱暴にレオナードが撫でる。

「俺とヴィンセントで何とかするから、イヅナは怪我だけはすんなよ」

「こら、レオナード。女の子の頭を乱暴にしない！」

ヴィンセントがレオナードの手を掴み、引き離す。その様子を見て、イヅナはクスリと笑った。

（まあ、この二人がいればまだ何とかなりそうね）

本当に単純だと思う。でも、ヴィンセントとレオナードの存在はそれだけ大きいのだ。

その後は普通にお茶会を楽しみ、解散となった。
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