No rain,No rainbow
ゆっくりくちびるを離したあと、

「律さん、名前で呼んでくれました?」

見つめた私に、

「なんだか、呼びたくなったので。てか、初めてキスしたあとの初めての会話がそれですか?」

「いや、なんだかびっくり、したので。ってか、前に指にキスされました」

「いやいやいやいや!くちびるには、初です」

本当は、ずっと、あなたにキスしたかったんですよ?

ふたりで座り込んでいても、身長差があるために、私を見下ろす律さん。

でも、その目はとても、優しくて安心する。





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