No rain,No rainbow
「オレもひとつ、お願いしてもいいですか?」

抱きしめられたまま、律さんの声が響いてくる。

「はい。もちろん」

「お腹がいっぱいになって、眠たくなってきちゃいました。11時前には帰るんで、ちょっとだけ膝枕、とかお願いしてもいいですか?」

どんな顔をしてるんだろう?

照れたり、してるのかな?

抱きしめられたままだから、律さんの表情を確認出来ないけれど、

「全然、大丈夫ですよ?」

余裕の声で返せば。

「ありがとう、ございます」

私の膝に頭を載せた、律さん。

「あぁ。あったかくて、シアワセ、ですねぇ」

膝の上、仰向けになって私を見あげながら言う律さんの声は、本当にシアワセそうで、私まで嬉しくなる。


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