No rain,No rainbow
「…どう…ですか…?」

後ろから話しかけた、私の声に反応して振り返った律さんは…

「………、」

言葉をなくして、固まっている。

「…すいません、似合ってないですよね。すぐ着替え…」

「…ちっ!違います!!あまりにあなたがキレイだからっ!!」

まるで、あの日の、いちばん最初に律さんに会った日のデジャヴ、みたいな表情をしている。

「…キレイ、過ぎます…」

ゆっくり私に近づいた律さんは、

ふわりと私を抱きしめた。

「…あのー、私はこれで失礼します。お着替えの時にまた、お声がけしてくださいね」

「あ、すいません。また後でお願いします」

私を抱きしめたまま、律さんがお姉さんにいう。

ぱたんとドアが閉まる音がした瞬間。

「…ん…っ」

思わず声が漏れたのは、律さんがキスをしてくれたから。

白い控え室で、たくさんのキスをした。




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