No rain,No rainbow
「「…キス…」」

そんな単語すら、揃ってしまう空気感に、思わずふたり顔を見合わせて、笑う。

「今、同じこと考えてたみたい、ですね?」

少し片眉を上げて、優しく囁く律さんの声。

「…みたい…です…」

目を閉じたら、

「…ん…」

逆らい難い、甘いキス。

何度も何度も。

繋がれた手のひらは、相変わらず優しくて。

強く引かれたり、痛いほどに捻りあげられる事しか知らなかった、私の手のひら。

こんなに優しい温度に触れるのは、律さんの手のひらが初めてで。

でも逆に、優しい手のひらを持っているのが律さんで、幸運だ。


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