No rain,No rainbow
そこには、女性がいた。

白い、ふわふわとしたワンピースを来て、佇んでいる。

その横顔は朝陽に照らされて、頬がオレンジ色に染められている。

ゆるく微笑むその横顔がとてもキレイで、言葉が出ないほど。

隣の律さんも、言葉を無くしてただ彼女を見つめている。 

「「…すごい、ですね…」」

またもシンクロした、私たちの言葉。

キャンバスいっぱいに描かれた女性。

今にも語りかけてきそうな、臨場感があって。

ツヤツヤの肌や、少し憂いを帯びた瞳。

艶かしく光る、くちびる。

でも、写真とは違う、質感。





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