No rain,No rainbow
…あ、どうも…。とか、…すみません、とか言いながら、ベンチに並んで腰掛けた律さんと私に。

「…いやー、仲いいですね」

言いながら、その視線は律さんと私の繋がれた手のひらを見ている。

最近は、当たり前のように手を繋いでいる、律さんと私。

むしろ、手を繋いでいないと不安な位で。

「やっと、見つけたひとなので、離したくないんです」

隣の律さんからは、そんな言葉が飛び出して、びっくりするのと、嬉しい気持ちと恥ずかしさが混じり合って、顔を上げられない。

「…ね?」

私を覗う律さんの気配は、相変わらず、優しい。




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