No rain,No rainbow
「…あなたって言うひとは、そういうことを当たり前に…」

なぜだか絶句する、律さんを横目に、

「…そうでしょうか…?」

なんて、自信なげな、藤城さん。

「絶対に、そうです!!」

気弱な藤城さんの言葉に、被せた私の大声は、

「だっから!あなた声…!!」

またもや、律さんの手のひらに塞がれる。

そんな私たちを眺めていた、藤城さん。

「…俺も、頑張って、もう一度、捕まえに行けたらいいな、と、思えました。おふたりみたいな、夫婦に、なりたいです」

「「…ど…っ、…え…、ちが…!」」

顔を見合わせて、その後同時に出た訳のわからない、私たちの言葉に、

「あははははっ!すっげー、何でも、揃っちゃうんですね」

目を丸くして、藤城さんが笑っている。







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