No rain,No rainbow
「夫婦だなんてっ!そもそも私、離婚したばかりでっ!あっ!もちろん。律さんとじゃないですよ?!律さんみたいに素敵なひととそりゃあ、ずっと一緒にいたいし、できたらいつかは結婚、とかしたいですけど、でも私バツイチだし…!?」

「…ストップっ!!」

言いながら、私の口を手のひらで塞いだ律さんは、

それ以上言うと、くちびるで塞ぎますよ?私の耳元で囁いた。

「いやー、すみませんねぇ。こんなに素敵な絵に
出逢ってしまったから、興奮しているみたいで」

どうどう。なんて、まるで牛か馬を落ち着かせるみたいに、私の背中をさする律さん。

「なんだ、雰囲気がすっかりご夫婦みたいだったので、そのペアリングも素敵だったので」

朗らかに笑う、藤城さん。


< 199 / 551 >

この作品をシェア

pagetop