No rain,No rainbow
「…あなたって、ひとは、ほんっとうに…」

おじいちゃんを殺す気ですか…

もう、ちょっと、降参です。

読んでいた雑誌を、棚に戻して、

「一刻も早く、帰りましょう」

私の手を引いて、歩き出した律さん。

「…あの、律さん、新刊で欲しい小説があって、それだけ買ってもいいですか?」

言った私に、

「どうぞどうぞ、あなたはオレとの甘い時間より、新刊を選ぶんですね」

なんて、少し不貞てた表情の律さん。

ふっ。笑ったあと、

「冗談ですよ。冗談。そんな不安そうな顔をしないで?早く買っておいで」

またも笑いながら、私の背中を押した。







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