No rain,No rainbow
「…律さん…どうして…」

シャツを羽織りながら、振り返った律さんは、寂しそうに微笑んだ。

「よくある話し、ですよ」

オレの母親は、体がすごく弱くて。

オレを産んで、そのまま死んでしまいました。

いつも飾ってあった、唯一の写真は仲良さげに寄り添う、父親と母親の写真で。

実際、大恋愛で結ばれたのに、オレのせいで母は死んでしまいました。

父親は、オレを憎んでいました。

それが決定的になったのは、オレの12歳の誕生日で。

オレの誕生日は、母親が死んだ日、で。

「どうしてお前なんだ」

って。

どうしてお前が生きてるんだ、

って。


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