No rain,No rainbow
律さんが私の背中を、抱いてくれるように、私も律さんの背中に腕をまわした。

シャツ越しのこの背中には、数え切れないほどの無数の傷がある。

私には計り知れないほどの、痛みや悲しみに耐えてきた背中。

それを少しでも癒やしたくて、両手でゆっくりさすった。

手のひらから流れるぬくさを、私は知っている。

それにどれだけ救われるのかも。

私のこの手のひらも、きっと律さんのチカラになれる。

なりたい。

願いながらただ、ひたすら、律さんの背中をあたため続けた。


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