No rain,No rainbow
「…もしも、もしも、23時前に帰っていたら、親父は生きていて。その場で救急車を呼んでいれば、助かったかも知れない」

殺そうとしていたのに、自分でもどうしてそう思うのかが、わからなくて。

あんな日々は、もう絶対に嫌なのに。

オレに✕を押し付けたのは、親父なのに。

いちど、写真立ての写真を抱きしめながら泣く、親父の姿を見てしまったことがあって。

そのときは、こんなにまで自分以外のひとを想えるのか?って、ただ不思議でした。

いろいろ考えているうちに、泣いている自分がいたんです。

時計を見ると、23時でした。

親父が独りで死んだ、23時。

それから毎日、今日まで、いやこれからもきっと、23時に泣き続けるんです。

それは、あのときにどうすれば正解だったのかわからない、オレへの罰、なんです。



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