No rain,No rainbow
耳元で響く、律さんの震える声。

きっとずっと、ひとりきりで抱えてきたんだろう。

こころと背中に刻まれた、大きな傷。

私には計り知れないほどの、深い傷。

そんな傷を抱えながらも、律さんはいつも優しかった。

出逢ってから、ずっと。

「律さんは、優しいひとです。とても。出逢ってから、ずっと。私の人生の中で、律さんほど思い遣りのあるひとを、私は知りません」

それは律さんが、ひとの気持ちを分かれるひとだから、です。

そこら辺に転がっているような、月並みな言葉しか出てこない自分が、歯痒い。

もっともっと、伝えたいことがたくさんあるのに、うまく言葉にならない。



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