No rain,No rainbow
「私でいい、って。私なんかでいい、って。律さんが私を認めてくれて、"そのまま"の私でいいって。この世界に、そんな風に言ってくれるひとがいるなんて。そのひとに出逢えたなんて。奇跡、です」

目を閉じて、律さんに抱きしめられている。

同じように、私も律さんを抱きしめている。

傷は決して消えることは、ない。

でも、少しでも軽くすることは出来るはずで。

私はそれを、全力でしようと思った。

お互いの手のひらから伝わるぬくさだけで、いい。

私たちはいつも、それだけで、いい。

それさえあればきっと、きっと生きて行けると思うから。

強く、私を抱き締めてくれる、律さん。

こういうときに、"やさしく"じゃないのが、律さんらしい。

言葉だけでは伝わりきらない"強さ"が、嬉しい。


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