No rain,No rainbow
ゆっくりと、私の方へ顔を向けた律さん。

「そんなに悲しそうな顔、しないで?」

私の頭を抱き寄せた。

ゆっくりと、律さんと私のくちびるが重なった。

永遠みたいな、ほんの数秒。

その僅かな数秒だけで、私の不安を解いてゆく。

わかった?

そのキスだけで、痛いくらいに解らせるなんて、ずるい…。

タイミングよく、青に変わった、信号。

ゆっくりと動き出した車。


< 423 / 551 >

この作品をシェア

pagetop