No rain,No rainbow
いつものように、ふたりで並んで台所に立つ。

じゃあ、あなたはこっちを切って。

私の目の前のまな板には、白菜と白滝とお豆腐。

律さんのまな板には、長ねぎと玉ねぎ。

さりげなく玉ねぎを切ってくれる律さんを横目に、自分の担当を片付けていく。

どんどん、フライパンに切った順番にいれて、煮込むだけ。

手を洗おうと、蛇口をひねって勢いよく流れる水の下に両手を差し入れた。

「…あ、」

思わず漏れた、私の声に、

「どうしたの?大丈夫?」

手を止めて心配そうに私を覗き込む律さん。


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