No rain,No rainbow
お皿を洗い終わって、紅茶を淹れてくれる律さんと、ケーキの用意をする私。

2つずつ、4つ選んだケーキが箱の中で鮮やかで。

「律さん、どのケーキにします?」

「んー、どれもいいなぁ。あなたは?」

律さんに聞き返されて、

「「…あ、じゃあ…」」

揃った声がまた、愛おしい。

結局、全部をはんぶんこにして律さんのお皿にも私のお皿にも4種類のケーキが並んだ。

「全部はんぶんこだから、カロリーも半分にならないかな?」

真面目な顔をして言う律さんが、可愛らしい。

「そうなればいいですね」

私もくすくす笑いながら返して、愛おしい夜は更けてゆく。


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