No rain,No rainbow
「…あぁ、ほんとうにあなたってひとは…」

肘をついた先に顎をのせて、私を見た律さん。

とことん、オレを明るいほうへ連れて行ってくれるんですねぇ。

その、ほがらかな表情がとてつもなく、嬉しい。

ただただ、見つめ合う時間は静かに過ぎる。

「律さん、紅茶、もう一杯飲みます?」

「いいんですか?ありがとう」

微笑むまなざしが優しい。

立ち上がって、ふいに時計に目が行った。

………、

…あれ…?


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