No rain,No rainbow
「「…あ、」」

声が揃ったのは、窓から差し込んできたおひさまのせい。

「晴れたねぇ」

「晴れましたね」

じゃあ、晴れてるうちに出かけちゃいましょう。

いたずらっぽく笑う律さんが、かわいい。

シャツを羽織るために、私に背中を向けた律さん。

その背中には、無数の傷跡。

前は、私に必死に隠そうとしていた傷跡。

今は、当たり前のように私に見せてくれる。

その背中に、思わず抱きついた。


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