No rain,No rainbow
見つめあう。

ただ、ただ。

律さんの目の色は、優しい。

この目が、私を見つめ続けてくれる。

これは、夢?

ゆっくり、目を閉じた。

もう1度、目を開けると変わらず優しい目で私を見つめる律さんの姿がある。

「私も、好き、みたいです」

「ん?みたい?」

私の照れ隠しを確実に見抜いているのがわかるのは、その、からかい口調のせいで。

「ん?」

もう一度、短く、聞いた。

小首を傾げて、でも、その口元には笑みが浮かんでいる。


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