ウソツキハート



いつものように間抜けな音を立てて、一階に着いたエレベーター。



開のボタンを押して、「どうぞ。」彼に促した。




「ありがとう。」



あたしに向けて微笑んだ彼は、あたしに向けて名刺を差し出した。



「僕はね?こういうものなんだよ。明日からキミ、僕の秘書だから。」



宜しく頼んだよ?



あたしの肩を叩いて、エレベーターから降りる背中。



その背中をぽかんと見つめて、手の中の名刺に目を落とした。



.
< 258 / 373 >

この作品をシェア

pagetop