ウソツキハート



しかもあたしが、社長秘書?!



そんなの、務まるわけがない。



半ば憤慨して、真っ直ぐ社長室に向かった。



どうにでもなれ!!



そんな気持ちでドアをノックする。



「はい。」



ドア越しに聞こえたのは、凛と響くあの声。



「失礼しますっ!!」



大声を上げて、ドアを開ける。



奥の重厚な作りのデスクに座っている彼は、エレベーターの中で会っていた彼と、間違いなく同一人物で。



『騙されていた。』なんて理不尽な考えがフツフツと沸き上がってくる。



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