ウソツキハート



あらたと一緒に歩いた道を、独りで歩く。



カフェでランチを食べて、あの公園にも足を踏み入れる。



ベンチに腰掛けて、ぼうっとすれば。



気持ちは思ったより冷静で。



落ち着いて、過去のこと、考えられるようになった。



ずっと逃げて、逃げ続けてきたけれど、誰かを本当に好きになれただけあたしは、シアワセだったんだ。



彼のこと、本当に好きだったし、あらたのことも好きになれた。



心から、人を好きになれたこと。



あたしはそれを誇ろう。



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