ウソツキハート



どうしてだろう?



『主人』なんて、彼女の口から出た言葉を聞いても、心は平穏で。



彼女や赤ちゃんや、彼が今、シアワセで居てくれて、本当に良かったと心から思えた。



微笑んで彼女を見つめれば、



『ん?』なんて少し、首を傾げた彼女。



「…シアワセ、ですか?今。」



思わず口をついてでた、愚問。



彼女の口から、その単語が聞きたい。



それは、自分の気持ちをただ晴らすためのものではなく。



彼女にシアワセでいてほしい。



心から。



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