ただ好きだっただけなの…
無職になった私は
することもなく
梨紗に電話を何回も何回もかけ続ける
そのうち
梨紗が電話にでなくなった
私は梨紗まで
私を見捨てたように感じて
腹が立ち
田所の家まで
押し掛けていった
ベルを連打する
髪を振り乱した女の姿に
狂気を感じたご近所さんが
警察に通報したようだ
私は警官に連れていかれ
何をしていたのか
質問され
知り合い宅に行っただけと
いうと
あまり呼び鈴を連打することは
オススメしませんよっと
やんわりと叱られて
家に戻された
警察署の玄関口に
母が立っていて
私を侮蔑の眼差してみ
そのまま歩いていってしまった
誰も私をいらないのね

私は自宅に帰らず
そのまま
電車に乗り近くの海までやってきた

私を
誰もいらないなら
いなくなればいいんでしょ
私はカナヅチだから
泳げない
だから
海にはいり沖にむかう
口のなかに
海水が入り
息ができない
踠き苦しむ
最後に見たのは
海面から射し込む
放射線状の光
きれい
其処からは
真っ黒な世界…
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