ただ好きだっただけなの…
グッハッ
ゴホゴホ
苦しい…

目の前は青

私
死ねなかった…

視線を横に向けると
日に焼けた
大きな男が
心配そうに見ている

あぁ
この男が私を助けたんだ
そう思ったら
その男を叩いていた
何で助けたの
ほっといてよ
死なせてよ
って
何度も何度も男を叩いていた
力のない平手など
痛くも痒くもないだろう
男は困ったように頭を掻き
そうして
オズオズと私を抱き締め
子供をあやすように
何度も何度も背中を
撫でて落ち着かせる

私が落ち着いたら
私を背負い
どこかに連れていく
どのみち
捨てるはずだった命
別に何をされても構わない
私はおとなしく
男の背中におわれていた
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