政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
夕食後、食器を片づけながら脳内は楓君のことばかりだった。
「好きなのは日和かな」とはどういう意味だったのだろう?
そのままの意味で捉えてもいいのだろうか。疑問符ばかりが浮かんでは消えていく。自然にため息が零れていた。無意識に眉間に皺を寄せていたようで
「日和?」
彼の声でハッとして顔を上げた。蛇口から勢いよく流れる水を止めるためにレバーを下げた。
ぽたぽたと指の間から水滴が落ちてキッチンシンクを濡らす。
「険しい顔してたけど」
お風呂に上がったばかりの彼は濡れた髪をバスタオルで拭きながら上半身裸で私の横に立っている。思わず目を見開き、後ずさった。
「ちょ…っ…あの!服を!パジャマを!」
「今着るって。それより体調悪いの?」
「いえ…違います。聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?」
―先ほどの言葉の意味を教えてください
そう訊きたかったのに私の唇は意図しない動きをした。
「好きなのは日和かな」とはどういう意味だったのだろう?
そのままの意味で捉えてもいいのだろうか。疑問符ばかりが浮かんでは消えていく。自然にため息が零れていた。無意識に眉間に皺を寄せていたようで
「日和?」
彼の声でハッとして顔を上げた。蛇口から勢いよく流れる水を止めるためにレバーを下げた。
ぽたぽたと指の間から水滴が落ちてキッチンシンクを濡らす。
「険しい顔してたけど」
お風呂に上がったばかりの彼は濡れた髪をバスタオルで拭きながら上半身裸で私の横に立っている。思わず目を見開き、後ずさった。
「ちょ…っ…あの!服を!パジャマを!」
「今着るって。それより体調悪いの?」
「いえ…違います。聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?」
―先ほどの言葉の意味を教えてください
そう訊きたかったのに私の唇は意図しない動きをした。