政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
♢♢♢

 明日の朝も早い。

楓君は普段よりも一時間早く家を出るようで、だから朝食の準備が大変だろうからいらないよと言っていたが、妻としてそれは嫌だった。

 早めに寝ようと自分の部屋に向かおうとすると、楓君に呼び止められた。

「日和、一緒に寝よう」
「今日?」
「うん、嫌?」
「…でも、週末だけじゃなかった?」
「ルールはそうだけど。別にイレギュラーな日があってもいい」

 返答に困っているとずんずんと彼がこちらへ向かってくる。そして、目の前で足を止めると抑えた声で言った。

「週末だけで子供ってできると思う?」
「…」
「子供作るんじゃなかったの」
「子供…」

 沖縄旅行に行ってから確かに一度もまだしてはいない。達成感はあったが、よく考えればあれはゴールではなくスタートだ。

本来の目的は…―

「そう、だったね…子供…作らないと…」

私の返答にどこか冷たい瞳を向けると手首を掴み彼の部屋に向かう。

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