政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
場所は駅近くの喫茶店だった。
そこまで遠くない距離なのに楓君は喫茶店の近くまで送ってくれた。
その間はずっと無言で機嫌の悪さはヒシヒシと伝わってくる。
「今日は…早く帰ってくるから。夕方くらいには…喫茶店で会うだけだから」
「分かった」
助手席から降りる際にぐっと腕を掴まれた。
休日ということもあり車の外は人通りが多い。
「っ…」
それなのに彼はぐっと顔を近づけ唇を押し付ける。
目を閉じる暇もなく、呆然とそれを受け止めた。
「いってらっしゃい」
唇が離れると、楓君は真顔でそう言った。うんと返すしか出来なかった。
目をしばたたきながら車を降りたが既に全身が熱い。
こんな顔で幼馴染と会うなどできないから冷たい空気でそれを冷まそうとしたが背後から私を呼ぶ声が聞こえた。
「松堂君…」
「日和、今来たの?」
「うん、そう。ちょうど今…」
「そっか。俺もだよ、寒いから店に入ろう」
ロングコートを羽織り、眼鏡をかけたいつもの彼が立っていた。前回会った時は患者として会ったばかりだからそれを思い出すと少し恥ずかしい。
店内に入ると奥の四人掛けのテーブル席に案内されて座った。
お互いコートを脱いだそのタイミングで店員さんが水とメニュー表を運んでくる。
松堂君は楓君とは正反対のオフホワイトのセーターを着ていた。
そこまで遠くない距離なのに楓君は喫茶店の近くまで送ってくれた。
その間はずっと無言で機嫌の悪さはヒシヒシと伝わってくる。
「今日は…早く帰ってくるから。夕方くらいには…喫茶店で会うだけだから」
「分かった」
助手席から降りる際にぐっと腕を掴まれた。
休日ということもあり車の外は人通りが多い。
「っ…」
それなのに彼はぐっと顔を近づけ唇を押し付ける。
目を閉じる暇もなく、呆然とそれを受け止めた。
「いってらっしゃい」
唇が離れると、楓君は真顔でそう言った。うんと返すしか出来なかった。
目をしばたたきながら車を降りたが既に全身が熱い。
こんな顔で幼馴染と会うなどできないから冷たい空気でそれを冷まそうとしたが背後から私を呼ぶ声が聞こえた。
「松堂君…」
「日和、今来たの?」
「うん、そう。ちょうど今…」
「そっか。俺もだよ、寒いから店に入ろう」
ロングコートを羽織り、眼鏡をかけたいつもの彼が立っていた。前回会った時は患者として会ったばかりだからそれを思い出すと少し恥ずかしい。
店内に入ると奥の四人掛けのテーブル席に案内されて座った。
お互いコートを脱いだそのタイミングで店員さんが水とメニュー表を運んでくる。
松堂君は楓君とは正反対のオフホワイトのセーターを着ていた。