政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
♢♢♢
12月20日
昨日は仕事で疲れていたこともあり、すぐに眠ってしまった。
目を覚ますと日付が変わり一つ年を取ったことを確認した。
今日は楓君が休みということもあり起床時間は普段よりも遅い。
ベッドから起き上がり、スリッパに足を通し自分の部屋を出る。リビングルームに行くと既に楓君がソファの上にいて驚いた。
「おはよう、楓君」
「おはよう。それから、誕生日おめでとう」
まだパジャマ姿だったから彼も今起きたばかりなのだろうがすっと立ち上がって私に近づく。
「ありがとう…」
「今日は大切な話がある」
「…大切?」
「ホテルも取ってるから今日はそこに泊まろう」
頷きながらも顔が引き攣っていたのは“大切な話”が別れ話だったらと想像したからだ。
今日私は清川さんのことを聞いてそれから彼に私の気持ちを伝えたいと思っていた。
しかし、もしも別れ話を切り出されたら…―。
「日和?」
「楽しみ…ありがとう」
「そうは見えないんだけど」
「本当だよ!忙しいのに、ごめんね」
ここ数日は今日休暇を取ったからだろうか、帰りも遅く疲れている様子だった。わざわざ休暇を取ってまで誕生日を祝ってくれるのに別れ話をされるというのは考えにくい。
でも、それ以外に大切な話が思いつかない。
楽しみでもあるが同時に不安もあった。
12月20日
昨日は仕事で疲れていたこともあり、すぐに眠ってしまった。
目を覚ますと日付が変わり一つ年を取ったことを確認した。
今日は楓君が休みということもあり起床時間は普段よりも遅い。
ベッドから起き上がり、スリッパに足を通し自分の部屋を出る。リビングルームに行くと既に楓君がソファの上にいて驚いた。
「おはよう、楓君」
「おはよう。それから、誕生日おめでとう」
まだパジャマ姿だったから彼も今起きたばかりなのだろうがすっと立ち上がって私に近づく。
「ありがとう…」
「今日は大切な話がある」
「…大切?」
「ホテルも取ってるから今日はそこに泊まろう」
頷きながらも顔が引き攣っていたのは“大切な話”が別れ話だったらと想像したからだ。
今日私は清川さんのことを聞いてそれから彼に私の気持ちを伝えたいと思っていた。
しかし、もしも別れ話を切り出されたら…―。
「日和?」
「楽しみ…ありがとう」
「そうは見えないんだけど」
「本当だよ!忙しいのに、ごめんね」
ここ数日は今日休暇を取ったからだろうか、帰りも遅く疲れている様子だった。わざわざ休暇を取ってまで誕生日を祝ってくれるのに別れ話をされるというのは考えにくい。
でも、それ以外に大切な話が思いつかない。
楽しみでもあるが同時に不安もあった。