エリート官僚は授かり妻を過保護に愛でる~お見合い夫婦の片恋蜜月~
駿太郎さんは画面が表示されっぱなしであることにすぐ気づき、オフにして席を立った。仕事の通話を続けるために、私に「ごめん」と目配せをしてラウンジを出て行った。
私は嫌な音で鳴り響く心臓を感じていた。相手の名前まではわからなかった。だけど、美しい年上の女性の姿は確認できた。
兄から聞いていた彼の過去の女性のことが瞬時に頭をよぎる。
今見た写真の女性が兄の言っていた大学時代の恋人と同一人物なのかわからない。
ただ、婚約者がいるのに、彼には連絡を取り合う親しい女性がいるということだけがはっきりした。
あのとき、問い詰めていれば何か変わっただろうか。
だけど、男性とお付き合いすること自体が初めてで、さらには駿太郎さんに憧れのような感情をすでに持っていた私は尋ねることができなかった。妙な詮索をして、鬱陶しい女だと思われたくなかったのだ。
結果、結婚した後に『宮間万美』の通知を見ることになり、今の今までこうして悩むことになっている。
「わからないよ、駿太郎さん」
私は嫌な音で鳴り響く心臓を感じていた。相手の名前まではわからなかった。だけど、美しい年上の女性の姿は確認できた。
兄から聞いていた彼の過去の女性のことが瞬時に頭をよぎる。
今見た写真の女性が兄の言っていた大学時代の恋人と同一人物なのかわからない。
ただ、婚約者がいるのに、彼には連絡を取り合う親しい女性がいるということだけがはっきりした。
あのとき、問い詰めていれば何か変わっただろうか。
だけど、男性とお付き合いすること自体が初めてで、さらには駿太郎さんに憧れのような感情をすでに持っていた私は尋ねることができなかった。妙な詮索をして、鬱陶しい女だと思われたくなかったのだ。
結果、結婚した後に『宮間万美』の通知を見ることになり、今の今までこうして悩むことになっている。
「わからないよ、駿太郎さん」