もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい

お茶を飲むと
お義母さんから
「紬さん、本当にごめんなさいね。
謝って許される事ではないのは
重々わかっているの。」
「お義母さん。
お義母さんが悪いわけでは
ないのですから、謝るのは
もう、やめて下さい。

私····
マンションを出た日から
考えてきました。

初めは、泣いてばかりで
結月に、沢山心配や迷惑をかけて
しまいました。

でも·······どう······考えても
もう、旭さんを信じる事が
私には出来ません。

同級生で前に付き合っていた方と
関係があった事もですが·····

あんなに····平然···と
嘘をつく······
嘘がつける旭さんと
この先一緒にいても
私は、何かに付けて旭さんを疑い、
疑心暗鬼の生活を
送る事になります。

旭さんの何もかもが
信じられません。

そんな生活は、
きっとすぐに破綻します。
お互いに幸せには
なれません。

私にも、旭さんが
そんな行動をした原因があると
思います。
だから、旭さんには 
その方か、または、
新しい方と幸せになって欲しいと
思っています。」
と、私は自分の考えを
一気に伝えた。

私が話す間に
何度も旭が腰を浮かす

だが、お義母さんにその都度
手で静止させられていた。

「紬さんは、こう言っているけど
旭は、あなたはどうなの?
私が孫の話を
あなた達、
二人に言い続けた事が、
原因の一つだと思っているの。

本当に、ごめんなさい。

でも、だからといって
浮気をして良い事には
ならないと。」
「わかってる。
わかっているのに。 
なんで、あんな事をしたのか
同窓会なんか、行かなければ
良かったと何度も悔やんで
何度も後悔した。

俺が、愛してるのも
この先、一緒にいたいのも
紬だけなんだ。
許してくれ、とは、言わない。
別居でも良い。
紬の夫と言う事だけ
そのままにしてもらえないだろうか?」
そう言って頭を下げる旭。

「もう、解放してして欲しい。」
「離婚して欲しい。」
「もう、無理だから。」
と、何度、何度も言った。

だが、旭は同意をしてくれず
拉致があかないと思い
私の意志は決まっていると言う意味で
持って来ていた離婚届を
テーブルの上に広げた。

旭は、ビクッとしたが
触ろうともしない。

お義母さんは
涙を流されていた。

何を言っても
旭は、離婚は嫌だという。

お義母さんは、
何も言葉は発せずに
ずっと泣いていた。

私の両親には
まだ、話してはいない。

旭の事を可愛がっている
両親に、なんと言えば良いのか
わからなかったから·····

父は、たまたま近くにきたから
と、店に顔を出してくれていた。

母とは、この間電話で話をした。
たわいない話しだが
父や母と話すと癒やされる。
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