ムボウビハート



 またも、信号に捕まって立ち止まる。



「そーそー。律儀、だよな?車も通ってないのに、赤信号を守るなんて。」



少し、苦笑いのあらた。



「でも、ね?こうやって立ち止まったら、あらたと一緒に並んで歩く時間が延びるから、あたしは嬉しいな。」



絡んだ指の先を大きく、振りながら出た、あたしのコトバ。



「……お前、たまにすげー可愛い。」



ぼそっと呟いたあらたに、



「……た、たまにッて!いつもって、言ってよねッ!!」



照れ隠しで、返事を返した。




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