ムボウビハート



 ふいに、つないだ手を自分の方へ強く引いた、あたし。



「…う…っ!わ!!」



「…きゃ…!!」



あらたとあたしの悲鳴が合わさったのは、バランスを、崩したあらたと、そんなあらたの体重を受け止め切れないあたしが重なって、地面に倒れ込んだから。



幸いにも、横断歩道脇の植え込みの、柔らかい土の上だった為に、お互いに怪我はない。




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