ムボウビハート
「どうしたの?これ。」
手の中に収まった、りんごあめを眺めながら、あらたに問い掛けた。
「駅前でやってたんだよ。秋祭り。気分転換に露天を冷やかしたら、見つけて。あんず、好きそうだったから。」
ま?あんずあめじゃなくて、不服かもしんねーけど、な。
なんて、付け足したのはきっと、照れ隠しだろう。
あたしを想いながら、選んでくれただろう、りんごあめに、気持ちがするするとほどけてゆくのが、わかった。
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