ムボウビハート



 しゃくしゃくと、音をさせながら、甘酸っぱいりんごをかじる。



そんなあたしを、柔らかな笑みを浮かべながら、眺めるあらた。



あらたの白と、りんごの赤が混じって香る、2人だけの空間。



淋しかった気持ちは、どこかへやってしまおう。



だってあらたは今、あたしの隣に居てくれるのだから。



「あらたもほら、美味しいよ?」



あらたの口元へ、りんごあめを差し出した。




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